こんにちは!アキリーズ製作記その6、今回はチッピングと塗装の仕上げをして、いよいよウェザリングに入ります。
ここまでじっくり丁寧に進めてきましたが、ここからが正念場。焦らず地道に進めていきます。
チッピング
それではチッピングです。

今回もヘアースプレー技法でのチッピングをしていきます。
やり方さえ覚えてしまえばリアルな傷をお手軽に再現出来てしまうのがいいですね。

用意したものはこんな感じです。
水道水と歯ブラシや穂先を切った筆、ケガキ針など。
色々と使ってきた中で厳選した道具達ですが、最近は特にミネシマのケガキ針をよく使っています。

水で表面を湿らせた後、

ケガキ針で横方向の擦り傷を付けたり、

筆で細々とした傷を付けていきます。
ケガキ針を使ってピンポイントで剥がした後、そこから拡張するように筆や歯ブラシで剥がしています。

最終的にこんな感じに仕上がりました。
今回、今までとは順番を変えて油彩でのフィルタリングの後に剥がしてみました。
後から剥がすことで、チップに余計な色味が付くことを防ぐことができました。
油彩のフィルター塗装は非常に塗膜が薄いので、水が下のヘアースプレー層にちゃんと浸透してくれているみたいです。

砲塔も同様に剥がします。

砲塔部のチッピングは結構難儀する部分ですが、この技法なら筆で適当につつくだけである程度リアルな傷を付けることができます。

車体前面も剥がし、

チッピング完了です。
今回も二色のチッピングは成功、いい雰囲気の傷を付けることができました。
塗装の仕上げ
ここから部分塗装などの仕上げに入ります。

ブラックで下塗りしておいた砲弾を塗装します。

使用するのはガイアカラーEXゴールド。
メタルカラーはより高品質なものを出そうと色んなメーカーが競っていますが、ガイアカラーは結構評判がいい印象があります。

ばばっと塗装しました。
かなりいい雰囲気の金色が出てくれました。

砲弾ラックの塗り分けにはファレホのホワイトを使います。

塗りました。
メタルカラーもしっかり隠してくれる隠蔽率、さすがファレホです。
砲弾の黒色はタミヤアクリルフラットブラックで塗っています。

砲塔部の砲弾も塗装。

砲塔ラックにセット。
ギラっとしたゴールドがとてもいいアクセントになってくれますね。
普段オープントップの車両を作らないので、装甲の内側まで再現するというのがなんだか新鮮です。

車体にもセット。
砲塔、フィギュアを乗せるとほとんど見えなくなりますが、覗くとチラッと見える感じがなんだかいいですね。

OVMの木製部分をファレホのブラウンで塗装しました。

ここで、塗膜の保護を兼ねてガイアの光沢クリヤーを吹きました。
あんまり変わってませんが、一応油彩が伸びやすくなる効果もあります。

予備履帯のゴム部はタミヤアクリルフラットブラックで塗装。
金属部はクレオスのメタルカラーダークアイアンで塗装しました。

OVMも同じようにダークアイアンで。
手軽に塗れて、磨けばリアルな光沢を出せるので重宝しています。
下準備はこれで全て完了です。ここからウェザリングに移ります。
錆表現
塗装、フィルタリング、チッピングなどを経ていよいよ最終工程となるウェザリング、まずは錆表現からです。
最近ホコリ表現の後に錆表現を行うパターンが多かったのですが、今回は先に錆表現をしてみます。
実車のことを考えても普通錆の上にホコリが乗るので、この順番が妥当でしょう。

使用していくのは油彩のバーントアンバーです。
ウェザリングに使う油彩塗料としてはお馴染みの色ですね。
絵具の余計な油分を吸わせるため、ダンボールをパレット代わりにしています。

チッピングで付けた傷の部分に、

面相筆でチョンチョンと乗せていきます。

それをウェザリングカラー溶剤を含ませた筆で輪郭線をシャープにしたり、

小さくストレーキングを作ったりして、

こんな感じになりました。
傷のサイズに合わせて錆を出していくのでかなり細かい作業になります。
これだけでも十分見栄えがいいですが、今回は新たな試みとしてもう一段階明るい錆色を追加してみます。

使用するのは同じく油彩のバーントシェンナ。

バーントアンバーの錆の上に追加したり、傷からにじみ出た錆も再現してみたり。

砲塔にも同じように施しました。
滲むような錆は明るめのバーントシェンナの方が向いているかもしれませんね。

全体の錆表現にバーントシェンナ、大きな傷やエッジなどのピンポイントにバーントアンバー、という感じで使い分けてみました。

肉眼だと厳しい部分もあるので、タミヤのヘッドルーペを付けながら進めています。
目の疲れも少しはマシになっているかもしれません。

中々いい雰囲気が出せました。
錆は小さければ小さいほどリアルになるというのは過去作フェルディナントで学んだことですが、今作でもその経験を踏まえて限界まで小さくしています。


そんなこんなで錆表現が終わりました。
毎回塩梅に苦労していた部分でしたが、錆の色を二色に増やすことで表情豊かにしつつ違和感の少ない仕上がりにできたように思います。
このままウォッシングをして完成といってもよさそうですが、まだまだこれから。最後まで丁寧に仕上げます。
それでは今回はこの辺で。
また次回お会いしましょう。