こんにちは!まんたです。
アーマーモデリング2020年3月号、お手に取っていただけましたでしょうか?
今回の特集は「冬」ということで、雪に関する作例やハウツーが目白押しになっています。
プロモデラー(ダイオラマビルダー)の吉岡和哉さんがAMのアドバイザーに就任されてからしばらく経ちましたが、どの号の作例も気合が入っていますし、特集に関する記事も様々な着眼点を持って作られていて、本当に読み応えがあります。
作例番外編

さて、そんな絶好調なアーマーモデリングにてこの度初の作例担当をさせていただきましたが、ページ数と記事のテーマの関係で載せられない工程もたくさんありました。
というわけで、今回はヤークトパンターの製作工程を紹介していきます。
誌面ではざっくり省略している部分もありますが、結構色々やっていました。
参考になれば幸いです。
組み立て&被弾痕の再現
まずは基本の組み立てから。

キットはドラゴンのスマートキットで、サクッと組み立てられました。
組み立てやすさとディテールのどちらも素晴らしく、評判の良さも納得でした。

組み立てただけではなんだか味気ないので、ワンポイントアクセントとして被弾痕を再現していきます。
まず、太めのドリル(3mm)で装甲を抉ります。

そこへタミヤエポキシパテ(速乾タイプ)を詰めて整形し、爪楊枝などを使って砲弾に抉られ盛り上がった装甲を表現。

細部の調整はケガキ針で。
穴の中心は砲弾との接触によって一番抉られ、溶かされる部分だと思うので、比較的滑らかにしつつ、その周囲の盛り上がった部分付近は中途半端に溶かされるのでごつごつと粗めにしています。

こんな感じになりました。
被弾痕は大きく、荒っぽくした方が迫力が出ますが、この車両が対峙した敵はせいぜいシャーマンやT-34くらいだとイメージしているので、控え目にしておきました。

まあ、過去にはこんなのも作ってたりしますが。
ボコボコの重戦車ってなんだかロマン溢れてますよね。

さて、続いて角の部分にももう一つ被弾痕を付けます。
やすりで削って大まかな形を作り、

エポキシパテを爪楊枝で押し付け、

デザインナイフで余分な部分を切り取ります。
ちなみに、先ほどの正面装甲の被弾痕でも同じように、まず余分を切り取りました。
やってみるとわかりますが、これくらいのサイズの被弾痕だと、最終的に残るパテはほんの少~しになります。

先ほどと同じように、爪楊枝やケガキ針で整形し終えたところです。
生きている車両だということを考慮して、被弾痕はこの二つくらいで終わりにしておきます。
戦場の写真を見ても、被弾痕だらけの車両は大抵遺棄されているように見えるので、リアリティ重視です。
ちなみに、ここで使用したエポキシパテは布を作ることもできます。
ぜひお試しあれ。

さて、被弾痕を付け終えたのでここから塗装です。
作業のしやすさを考慮して、大まかなパーツはなるべく未接着で進めています。
下地塗装
ここから早速塗装に移ります。
まずは下地塗装から。

ガイアカラーのレッドとサーフェイサーを混ぜてプライマーっぽい色を作り、塗装しました。
この塗装は、この後のチッピングで迷彩塗装を剥がしたときに覗いてくることになります。

ここで一つ、ゴム転輪の面倒な塗り分けを楽にするアイデアをご紹介します。
まずゴムの色を塗装してから、

製図用のテンプレートを使ってゴム部分を隠し、そこに下地塗装または基本塗装を塗ります。

するとこんな感じで、綺麗にゴム部分が塗分けられます。
多少塗装がはみ出ている部分もありますが、ウェザリングすればわからないレベルです。
製図用のテンプレートは一枚で色々なサイズに対応しているものが多いので、一つ持っておくと便利です。

最後に履帯などを塗り分け、下地塗装完了です。

ここでヘアースプレーを塗装。
今回は冬季迷彩というテーマで進めて行きましたが、このプライマー塗装のまま仕上げてもカッコよかったかもしれませんね。
それはまたいつか、ということで。
それでは今回はこの辺で。
最後まで閲覧していただきありがとうございます。
次回に続きます。