完成品置き場

完成写真 「ドラゴン 1/35 ”フェルディナント“」

2018年 12月完成

カクカクとしたフォルムが特徴的な重駆逐戦車、フェルディナントです。

その重装甲と高火力は初陣となったクルスクの戦闘で猛威を振るい、ソ連軍を大いに苦しめました。

使用キット


この作品を製作する上でのテーマは「塗装」「泥」「錆」でした。


ただウェザリングで仕上げるだけでなく、基本塗装にも注力しました。

また、戦場を駆け回る戦車に泥汚れは付きものです。

今回は、そんな泥ウェザリングにも特に力を入れ、総合的な仕上がりの向上を目指しました。


全体の錆表現は、この作品の中で最も注目していただきたいポイントでもあります。

今までの技術を踏襲しつつ、新たな切り口から錆の表現を追求していきました。

ここから、それぞれのテーマについてより具体的に紹介してきます。

塗装

この車両を製作するにあたり、今まで培ってきた塗装技術を最大限に駆使し、より深みのある塗装にしたいと考えていました。


そこで、主に油彩塗料での色調調整を行い、塗装の濃度の強弱を出すことにしました。


まず基本塗装、迷彩にはタミヤアクリルを水で希釈したものを使用。

その上から迷彩部を油絵具のビリジャンヒューを上塗りし、迷彩の中でも微妙な色調の変化を持たせました。


更に全体を油絵具数色でドッティング。

これにより、微かな雨だれや流れた埃、そして退色感を演出しました。


この技法はかなり有効で、見えるか見えないかの微妙な部分ではありますが、塗装の持つ深みを格段に引き上げてくれます。


色々と悩みながら進めていった塗装ですが、ある程度満足のいく形にすることができました。

泥ウェザリング

僕はこれまで製作してきた作品の中で、どうすればより良い泥の表現ができるかを模索していました。


今作はそれまでの経験を活かし、最高の泥ウェザリングにするつもりで挑みました。

使用したのはウェザリングペーストマッドブラウン、ホワイト、そして砂(リアルサンド)です。


明度の大きく違うこの二つの塗料は、組み合わせることにより色々な表現が可能になります。


また、立体感を出すための砂(リアルサンド)は、僕にとってウェザリングペーストを使う上でなくてはならないものです。


細かい砂ですが、1/35というスケールでは良い立体感を出してくれます。

足回りのダークイエローの塗装は、明度の高い乾いた泥と色味が似ているので、それだけだとどうしても単調になってしまいます。

そこで、マッドホワイトで全体に泥ウェザリングを行いつつ、マッドブラウンで所々明度を下げ、深みのある泥ウェザリングにすることができました。


色んな選択肢がある足回りのウェザリングですが、この作品を製作する中で、好きな表現を見つけられたような気がします。

この作品の最後の仕上げとして、僕の好きな錆表現を行っていったのですが、今作では新しい表現をしたいと考え、それまでとは微妙に違ったアプローチをしました。


トラックやガードレールなど、身近にあるものの錆を見ると面白いことに、錆は必ず塗装が剥がれ、下地がむき出しになっている部分から出ています。

当たり前といえば当たり前ですが、さらに面白いことに剥がれや錆は実際の1/1の世界ではかなり小さな部分でも起こっています。


そして、錆が出てからの時間差によって、錆の雨だれの長さ、大きさがそれぞれ違っています。

大胆なストレーキングやチッピングで錆表現を行うのはとても見栄えがいいですが、果たしてそれは”本物らしいのか”という疑問を常に抱いていました。


そこで今回は1/35でどれだけ細かい錆表現ができるか、という挑戦をしました。

自分の思い描く錆の形を、より細部まで施せばどういう仕上がりになるのかということに非常に興味をそそられたのです。

用いた手法は、油絵具のバーントアンバーによるチッピングです。


まず下地を兼ねてヘアースプレー技法でのチッピングを行い、そこで出てきた下地塗装の上に希釈無しのバーントアンバーを点々と置いていきました。


このチッピング技法はそれまでも使用していましたが、今作ではより良い仕上げを追求し、細かい部分まで施していきました。

今まで試したことが無いほど細かい部分へのチッピングは、かなりの集中力を要する作業で仕上がりにも若干の不安がありました。


しかし、最終状態を見ると、細部の錆表現は作品全体の密度を上げ、本物らしさを十分に感じられる仕上がりにしてくれることがわかりました。

今まで色々な技法を駆使して表現してきた錆ですが、今作では錆表現をする上での考え方、錆哲学をより確立できたのではないかなぁと思っています。

~以下画像集~





最後に

そんなわけで、フェルディナントでした。

苦難の末完成した作品でしたが、結果として色々なものを得られました。

地味に人気がある車輌なのですが、SNS上ではあまり作例を見かけず、製作当時は少し反響が大きかったように思いました。

それにしても、ドイツ重駆逐戦車はどれも本当にカッコいいですね。

まだまだ作りたいものだらけです。

最後まで閲覧していただきありがとうございました。

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