こんにちは!まんたです。
今回はホコリ表現の基礎の考え方をイラストで解説する、という試みです。
僕なりの見解を色々と書いていきますので、参考にしていただけたらと思います。
ホコリのグラデーション

始めに用意したのは装甲板を模したイラスト。
垂直に立った装甲板をイメージしてください。
この装甲板にホコリウェザリングを施してみると、

このようになります。
走行などによって下から巻き上げられるホコリをイメージして、ホコリは下に行くほど濃く、上に行くほど薄くしていきます。

こちらの画像はやややり過ぎ。
好みで濃淡を調整するのがいいですが、このイラストのようにあまり白っぽくさせ過ぎると、いわゆるきなこ餅の状態になり、仕上がりがなんだかパッとしなくなってしまいます。

実車の写真を見ると全面にホコリを被っている車両も良く見かけますが、それをそのまま模型に落とし込むと、本物をコピーしたとしても見た目が汚らしくなり、逆に本物らしく見えなくなってしまうことがあります。
実車をそのまま再現しました、と言えばそれまでですが、実車には実車の、模型には模型のリアリティがあります。
ホコリ表現は塗装とのコントラストを効かせるととても見栄えが良いので、バランスを見ながら施すといいでしょう。
ホコリの縦筋

グラデーションを意識して施したホコリ表現は、このままでも見栄えはかなりいいですが、ここから更に発展させていきます。
走行に付着したホコリは、主に雨などの水によって下へ下へと流されて行き、その様子を模型の表現に落とし込むと、

このように、縦筋を描くようなホコリになります。
これは僕らの身近にある自動車などにも同じような汚れが見られ、水で下に流され横に押しやられた結果、このような状態になります。
舗装された道路を走る自動車でさえそのような汚れが付くので、荒れた大地を走り回る戦車であればなおさらでしょう。

そしてさらに、ホコリは下に溜まるほど濃くなるという考え方を当てはめて、このように下には薄い縦筋、上には濃い縦筋を作り、グラデーションを付けるのも効果的です。
イラストではデフォルメ気味に表現していますが、この部分の濃淡のグラデーションは、あまりはっきりさせない方がホコリとしての実感がより高まります。

今回解説した表現を模型に落とし込んだ例が、こちらの作品です。
足回りの上、側面装甲板に注目してください。
ぼんやりとしたホコリを乗せつつ、縦筋を描いてホコリが垂れ流れていく様子を表現しています。
また、ホコリの付け方は先ほどのイラストの様に均一ではなく、箇所によって強弱を付け、よりリアリティのある仕上がりにしました。
ちなみにこちらのこの作品のホコリ表現には、ウェザリングカラーサンディウォッシュを使用しています。
こちらの記事もぜひ参考にしてください。
まとめ
先ほどのイラストを並べるとこんな感じです。



ホコリ表現について最初の段階から考えていくと、自分の中で法則性が生まれ、作品の表現が箇所によってちぐはぐになることを防げます。
ただし、今回ご紹介した内容は、僕の考えたホコリ表現のある種の到達点ではあるものの、これが正解というわけではありません。

縦筋を描かずにぼんやりと施すホコリもまた違った良さがありますし、逆にホコリを施さずに仕上げるという選択肢もあります。

一つの考え方に捉われず、柔軟な発想で試行錯誤を繰り返し、作品をカッコよく仕上げていきましょう。
それでは今回はこの辺で。
最後まで閲覧していただきありがとうございます。