こんにちは!模型反省会、今回見ていくのはかなり思い入れがある作品、キングタイガーヘンシェル砲塔です。
かなり満足度の高い作品だったのですが、改めてみると色々と反省点が見られますね。
それではどうぞ。
泥ウェザリング
始めに泥ウェザリングです。

当時好きだった表現として、下地に明るい埃汚れを置き、その上に、1段階暗い色を置いた後、更にその上に1番暗い色を置く、という3色からなる泥表現がありました。

今でも結構有効な手法なのですが、この作品では1段階暗い中間色に、他2色と比べて彩度が高い色を使ってしまいました。
基本的に泥汚れというのは乾いた時も湿った時も彩度は変わらず、明度だけが変わります。

それを当時は考えず、とりあえず中間色っぽいからいいかな、という風に使ってしまっていました。

ちょっと黄色になっちゃってますよね。
完成した後に気づいたので時すでに遅しでしたが、いい教訓になりました。
履帯ウェザリング
続いて履帯のウェザリングです。

ドロドロな泥汚れにしようと思い、ウェザリングペーストなどを駆使してべちゃべちゃと汚していったのですが、ウェザリングペーストは希釈して使うと履帯の深い凹凸にハマって、上手く立体感のある泥汚れになりません。
色味もまだらにし過ぎました。
ただ汚く汚しただけで、この車輛がどんな地面を走っているのかが、いまいち考えにくいような気がします。

しかも前途した黄色い汚しもここでも使ってしまっています。

彩度を統一すれば違和感はまだ残らないように思いますが、もう一工夫でしたね。
被弾痕
続いて被弾痕です。

せっかくの重装甲、活かさない手はありませんよね。
ということで、色々なところにエポキシパテで被弾痕を施してみました。

今見ると、装甲が溶けて盛り上がった部分がちょっと厚ぼったいですね。

被弾痕の径から考えると、むしろ盛り上がらせる必要はないのではないか、という箇所もあります。
仕上げも、なんだか嘘くさいといいますか、中途半端にギラついてしまっています。

本来なら、プライマーの層を剥がして下地の金属が見えているわけですので、急速に錆びていくのではないでしょうか。
被弾痕は僕の中でもまだ全く正解が掴めていない部分でもあります。
ただ、今作である程度どういう風にすればそれっぽいかというのをつかめた感じはあったので、満足です。
チッピング
続いてチッピングです。

これが今作最大の失敗かもしれません。
この作品では新たな試みとしてヘアースプレー技法を使っていました。

基本塗装の下地にヘアースプレーを塗り、水を含ませた筆で基本塗装を剥がしていくという技法です。
なんだか剥がれにくいなと思い、がりがりとピンセットなどで剥がしていたのですが、途中から気づき始めたのです。「コレ、成型色じゃない?」と。

なんと下地塗装の錆止めプライマーまで剥がして成型色を覗かせてしまっていたのです。
モンモデルのキングタイガーは成型色がプライマー色になっているので、完成まで全く気づきませんでしたし、そのおかげで塗り直しをしなくてもよかったのですが、なんだか腑に落ちませんね。

初めてのヘアースプレー技法は大失敗に終わってしまいましたが、成型色に助けられ、やり直しは避けることができました。
組み立ての時はなんだか気持ち悪い色だなと思っていたのですが、感謝です。
ストレーキング
続いてはストレーキングです。

錆の表現もしたいなと思い、ウェザリングカラーグランドブラウンでストレーキングをしました。
見栄えはいいのですが、これは果たして本物らしいのかという疑問が湧いてきました。

砲塔側面が結構顕著です。
本物は錆の雨だれがここまで急に太く濃く長くなるようには思えません。
もっと全体を錆びさせれば説得力は上がるでしょう。

ストレーキングはかなり見栄えのいい技法ですが、使い方によって、それを用いる根拠も十分考えながら行えばもっといい仕上がりになるでしょう。中々難しいところでもありますね。
車体下部側面
最後に車体側面下部、足回りの部分です。

ここも履帯と同じくドロドロな仕上げにしたいと考え、ウェザリングペーストなどで汚してみたのはいいのですが、スパッタリングの粒が大きすぎました。

製作当時、あと少しで完成だ、というところでここを仕上げたのですが、最後の最後で手を抜いてしまった感じがありますね。
もうひと踏ん張りして、よりよい仕上げにできればよかったです。
総評
もうなんといいますか、色々失敗してしまっています。
ですが、悪いところを見つけ出すと本当に色々な発見がありますね。
ここから得た教訓を100%吸収してよりよい作品を作れるように今後も努力していきます。
それでは今回はこの辺で。また次回お会いしましょう。