こんにちは!まんたです。
ウェザリングカラーサンディウォッシュの使い方その2、今回はホコリウェザリングの表現方法をより深掘りしていきます。
その1をご覧になっていない方は「ホコリ表現に最適な「ウェザリングカラーサンディウォッシュ」の使い方 その1」こちらもぜひ。
用意したもの
今回用意したものはこちら。

ウェザリングカラーサンディウォッシュと、同じくウェザリングカラーのマルチブラック、そして溶剤です。
ウェザリングカラーはどちらもタミヤのスペアボトルに移し替えて取り出しやすいようにしています。
マルチブラックはサンディウォッシュの色味を調整するために用意しました。
複数の色を使うウェザリングになると塗料の彩度を変えずに明度だけを変えたいということがあるので、ウェザリングカラーを使い慣れてきたらマルチブラック、マルチホワイトも持っておくと便利かもしれません。

二色を混ぜてこんな感じの色味に。
前回同様、溶剤でかなり薄めに希釈しています。

筆は耐久性が高くて使いやすいナイロン筆と、

細かい部分の表現に使う文盛堂の面相筆を用意しました。
この筆でないとダメ、ということは無いのでご自分のお好みで使いやすい筆を用意していただけたらと思います。

さて、今回ホコリウェザリングをしていくのはタミヤ1/35アキリーズです。
塗装やチッピングなどを済ませていよいよウェザリングだ、という状態です。
アキリーズなどの広い装甲板を持つ車両はホコリ表現の見せ場が多い為、練習にはうってつけですね。
実践
それではここから実践を交えて使い方をご紹介していきます。

まずは車体側面装甲。
ここに下から舞い上がるホコリを表現します。

暗めに調色したサンディウォッシュを溶剤で薄めに希釈し、ペタペタと塗り付けていきます。
塗った直後の乾いていない状態ではあまり色が出ていないように見えますが、これを乾燥させると、

このようになります。
かなり薄めた状態でもここまで発色してくれるので、塗る度に乾燥させて色の濃さを確認しながら進めることで失敗を防げます。

ここから溶剤を含ませた筆でぼかしていきます。
この時筆に含ませる溶剤の量が多すぎると塗料を残したい部分も消してしまうことがあるので、ほんのり湿らせる程度がベストです。

しっかりと消したい箇所は溶剤を含ませた綿棒などで擦り落とします。
ここで一つ、ホコリ表現についての豆知識をご紹介します。
基本的に、走行や砲撃などから生じるホコリは下から上に舞い上がります。
となると、ホコリは下に近づくにつれ多くなり上に近づくにつれ少なくなる、と解釈できます。
僕はこの性質を装甲の一つ一つの面に適用して、一つの面の下半分辺りにホコリを集中させ、逆に上半分辺りにはあまり乗せない、という基準を設けてウェザリングをしています。
このような基準を設けることで、全体を見たときにつじつまの合わないウェザリングになってしまうことを防ぎ、作品の質の向上にもつながっていきます。

さて、ここからさらに同じ色を乗せ、よりホコリ感を強めていきます。
塗料をあえて普通より薄めに希釈して使うことで、最初はふわっと付着したホコリを再現しつつ、段々としっかりこびり付いたホコリにしていくことができ、更にそのホコリの濃度のグラデーションを生むことができます。

一回濃い色を乗せて終わり、ではなく慎重に少しづつ重ねて濃くしていくことで細部の微調整も簡単になり、よりこだわった表現をすることができます。

最後に明るいサンディウォッシュの原色で、基本塗装とのコントラストを強めていきます。

最終状態はこのようになりました。
ここまで僕なりの使い方を紹介してきましたが、この工程をサンディウォッシュの原色一色だけで行うか、今回のように二色以上の色を使って行うかは個人の好みに左右される部分ですので色々と試して自分に合った汚し方を見つけていただければと思います。
車体前面のホコリ表現

今度は車体前面にホコリ表現を行っていきます。
先ほどの凹凸がない車体側面との表現の違いにご注目ください。

こちらもまずはホコリが多くなる下の方を中心に塗料を置いていきます。
ここでもう一つ、ホコリ表現における豆知識をご紹介します。
ホコリは下にいくほど多くなるという性質に加えて、スミに溜まっていくという性質があります。

ここで、この二つの性質を同時に模型に適用すれば一番ホコリが溜まりやすい箇所は面の下半分辺りかつ、スミになっている部分となりますので、自然とホコリを乗せるポイントが見えてきます。
この二つの性質はほぼすべての状況で当てはまるので、是非意識しながらウェザリングしてみてください。

ここからより細部の表現、凹凸部分のホコリ表現の一例として、車体前面のボルトにホコリ表現を行っていきます。
こういった一見目立たないような部分でもしっかりと説得力のあるウェザリングをすることで、作品全体の仕上がりを格段に向上させることができます。

先ほどと同じように暗めに調色したサンディウォッシュをホコリの溜まりそうなスミの部分に流していきます。
ホコリは面の下にいくほど多くなることを考えれば一見ここにホコリが乗るのは違和感があるかもしれませんが、ホコリはスミに溜まりやすいという性質も持つのでやり過ぎない程度ならむしろ説得力が出ます。

さらにボルト部分から下に流れ落ちるホコリを筆で描いていきます。
凸部のスミに溜まったホコリはその部分を起点として、垂直に流れ落ちていきます。
この現象は僕らの身近にある自動車などでも見かけることができます。
ドアノブやミラーなど、あらゆる箇所からホコリが流れ落ちている様子を観察してみてください。

乾燥するとこのようになります。

この状態ではホコリとしての質感はいまいちなので、また溶剤を含ませた筆でぼかします。
ホコリ表現を行うときに特に意識していただきたいのが、ホコリをうっすらと重ねていくことです。
いきなりガツンと濃い色を乗せてしまうと、まるで何かの粉をぶちまけたような見た目になってしまい、見栄えはいい場合もありますが、リアリティはいまいちです。
本物が存在するスケールモデルでの汚し表現は、模型的見栄えや自分の好みを出していくのも大切ですが、本物の汚れ方を観察し、上手く融合させていくことも大切です。

ここでハイライトとして、少しだけサンディウォッシュの原色を置きます。

再度ぼかしを加え、最終的にこのように仕上がりました。
ウェザリングカラーは完全に乾燥させれば重ね塗りが出来る塗料なので、上からならいくらでも色を変えることができます。
さらにこのサンディウォッシュは使い方によってはピグメントの質感に負けないホコリ表現が可能になるので、僕はいつもピグメントを使わずにウェザリングを完結させています。

最後に、ここまでの工程を繰り返してホコリの色を段々と濃くしていきます。
基本的には筆を縦に流す動きで流れ落ちる様子を表現しながらホコリを乗せていきます。

縦の流れを強調することでホコリ表現の際になりがちな全体のぼやっとした雰囲気を抑え、作品の雰囲気を引き締めてくれます。
ただし縦線だけでは逆に違和感が出るので、下の方にはぼやっとしたホコリも付けてあげます。

最後にサンディウォッシュの原色も加えて、このように仕上がりました。
濃淡のグラデーションや、ホコリが微妙に縦に流れている様子がお分かりいただけるでしょうか。
使い方さえ熟知すれば、ピグメント無しでもここまでのホコリ表現が可能になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回のまとめは
- ホコリは下にいくほど多くなり、上にいくほど少なくなる
- ホコリはスミに溜まり、角には付かない
- ホコリ初めは薄く、段々濃くしていく
- ホコリは縦の流れを強調してシャープな見た目に
です。
その1に比べると、使い方というよりはテクニック中心のお話になりましたが、参考になれば幸いです。
それでは今回はこの辺で。
最後まで閲覧していただきありがとうございました。
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